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詩人:どるとる
宛のない道のりだ コンパスも役には立ちそうもない
ビルばかりの 街をナビ通りに潜り抜けてく
風に乗って 逃げようぜ世界の果てまで
自販機の売り切れの ジュース
いくら押しても出てこないんだ
青い空に雲が流れ 窓越しに見る 行き交う ワイパー
音沙汰もない 友人の死を数年経って 知ったときの落胆
それによく似た気持ちだ どうか願わくば
明日、世界に爆弾が落ちてきますように
このあくびが止まらないほど平和を むごく脅かしてよ
小説の 前書きにあるような 苦節何十年のあれやこれや
並べ立てた なんとか賞のベストセラー
飽きるくらい 変わらない街と同じだ
雨に濡れてよれよれの雑誌のグラビア
何人の男を 彼女は興奮させたのか
数年付き合った彼女の薬指に光る ダイアの指輪
来月結婚するのって彼女は 笑ってあの日を回想する
下のほうが下手くそな 話ばかりする
時が経てば人も汚れて変わってしまう
良くも悪くも 清楚だった筈の彼女はどこに行ったんだろう
独身最後の 過ちを
僕は彼女に 吹っ掛けた
彼女はイチもニもなく 了承した
僕は悲しくなったよ
青い空に雲が流れ 窓越しに見る 行き交う ワイパー
音沙汰もない 友人の死を数年経って 知ったときの落胆
それによく似た気持ちだ どうか願わくば
明日、世界に爆弾が落ちてきますように
このあくびが止まらないほど平和を むごく脅かしてよ
戦争もない刺激のない毎日で平和ボケしてる僕らの目を覚まさせてよ
真っ黒い夢から。