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詩人:シゲヲ
親が子を殺す?
子が親を殺す?
あはは
当たり前のことじゃないかい?
あなたは笑うことなく
真剣な眼差しでそれを否定するかい?
それこそお笑い種さ
むしゃぶりつくように
むさぼるように
貪欲に貪欲を連ねる
さあ、あなたが抱える赤ん坊
今ここで窓から突き落とせよ?
死ぬよ
見事に、さぁ?
死ねよ死ねよと呪う言葉より
よっぽど現実的で効率的だ
やめて? なにが?
なにを止めるのはあなただ
その手に持つ刃よりよっぽど残酷に
――殺せるのに
あーあー捨てないで
赤ん坊が泣いたじゃないか
それでも親かい?
いや・・・もうすぐそうじゃなくなるかな?
いざ忌まわしき記憶よ
久方ぶりのピエロを威せ
慰せ 似合わぬ夜のモラルを食いつくそうか
あなた・・・二度目だよね
よく我慢していたよ
さあ殺せな
意味もなくただの殺人衝動にかられて
意味もなく自身の腹から生んだ子を殺せな
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
またやらないの?
え
あーあ・・・・・・自分で死ぬ道?
血が汚いねぇ
初めてのシャワーが母親の血かね
くはは
くかか
死んじゃったねぇ・・・
あなたはこの子供が可哀相と思う?
それとも母親が可哀相と思う?
はは
どう答えようと自由さ
でも
少なくともねぇ
どちらにでもいい
少しでも
この親子のことを
可哀相だと思ったあなたの
その心の中にあたしは
このピエロは有り得るのさ