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詩人:高級スプーンあと何年
料理を作っている間
食べる人のことなんか
気にしなかった
それがいけなかった
別に僕が食べなくても
他に食べる人はいくらでもいる
それもいけない
たったひとり評価しなくても
星の数は変わらないし
評価を気にしなくても
味は変わらない
それの何がいけないっていう
どちらかが欠けていても
満たされない
だったら
料理を通して
対話をすれば
お腹も心も満たされるのか
それは
お世辞にも綺麗とは言えないが
一点の曇りもない欲だ
才能がなくても
健康を蝕んでも
テーブルを挟んで語ろうか
互いのそれを満たすために