詩人:千波 一也
飲み干した香水が
ふくらみ過ぎて
くれないの、
ルージュ
釣り上げられた満月に
寂しく揺れたら
尾ひれは
逃げて
そこから跳ねた、
スコールの
おと
争うばかりのダンスに落ちて
紳士も淑女も
華麗な
戦士
めぐる、フレア
つめたい床には羽飾り
スパンコールで
淡く、とべ
夜を待ちわびて、から
うまれていけない
熱帯雨林
ないものねだりの極楽鳥
夕陽はふわりと、オレンジ
バイバイ
気泡もそこそこ不自由ないろ
スカートを裁つ、
ランプが
水槽
路上の孤独が群れる不思議を
つかまえながら
溺れる、
甘さ