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[191345] セフレの女

詩人:どるとる


ただ繰り返す毎日は紙芝居宜しく
需要と供給もなく 捲れるだけのページ

昨日の続きが今日なら今日の続きは明日
今日と明日の違いはただ日付が変わるだけ

瞳に映る世界は一体誰が望んだ形なのか

神様も留守の世界で唯一の正しさは

どこぞの誰かが作った出来合いの法律で書類上の善悪の判断

映画のように テンポよく進む毎日なら

人の死ももう少し軽くなるだろう

つまらないことで簡単に人を嫌いになって
すぐにまた簡単に人を好きになって

体の関係を持つためにそれをごまかすように愛と嘯いて

重ねた体を 汚してゆくのは 君の勝手だけど
君の目は どこか悲しそうに 潤んでる

セフレの関係で やる以外は専ら冷めた関係で
快楽を求めるだけの卑しい獣

いつの間にか僕だけが君を見る目が変わって
愛に置き換えて考えるようになった

どうでもいいニュースのどうでもいい人の死に
なんとなく 胸を痛めるようになったのは
愛を知って 弱くなってそのぶん優しさを知ったから

君はただ 遊びのつもりでいてくれればいい

僕は勝手に汚れた愛をドラマ仕立てにするから

君が変わってくれるのを ちょっとだけ期待しながら
僕も君と同じように今の関係を楽しんでる

偽物の愛でもいい いつか本物よりも輝いてくれれば

関係を持つたびに 少しずつ心が通いあい
お互いにただのセフレでは収まらなくなった

快楽を求めるだけだった僕らは
いつの間にその汚れた愛を
愛するようになって しまった
そんな愛も あってもいいのかな

映画のように テンポよく進む毎日なら

人の死ももう少し軽くなるだろう

つまらないことで簡単に人を嫌いになって
すぐにまた簡単に人を好きになって

体の関係を持つためにそれをごまかすように愛と嘯いて

重ねた体を 汚してゆくのは 君の勝手だけど
君の目は どこか悲しそうに 潤んでる
セフレの女。

2016/04/09 (Sat)
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