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詩人:千波 一也
灰色を抱きしめて、つぼみ
破れることを募らせて、
つばさ
黄昏に
いつも遅れて招待状は
焼けてゆく
夕焼けてゆく
そうして憂いは懐かしさに煙り、
清らかなけがれが、ゆき
なにも知らない者だけに、
そら
満たされない音色をつぶやけば
こころも震えて
ひとつに
消えて
しずく、
こぼれる間際に真冬を聴かせた
頑なに鎖をむすぶ、はな
捨て去るたびに降りそそぐ、
すな
そっと滅びたら
やさしい傾斜のはじまりのとき
誕生は底から、
不思議を揺れて、かぜ
実るともなくあこがれて、
つき
息吹、
氷をわたり氷へむかう
咲き誇ることのうすくれないに