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[98889] 陰口吐露密告会(後半)

詩人:甘味亭 真朱麻呂

ゲラゲラ…

フッフッフッ……

ヒソヒソヒソ………

密告者たちの陰口は続く
薄暗いロウソクだけの明かりの中で
不気味に密告者たちの被る仮面だけが浮かび上がり
その仮面を不気味に青白く浮かばせている

まるで悪夢のように
陰口は言い交わされる

人は誰も心にそんな陰口やグチを気持ちよく吐き出せる場所を求めているんだ
いやなことにそれを逆手に取り話の種にしてしまう
人は身勝手で汚れた心を持ち
その反面大らかで穏和な心も持った
堕天使のような生き物

だから人は誰かを憎みもするし妬みもする
人間優しさだけではため込んだ疲れやストレスに押しつぶされて
果てはノイローゼになってしまう
だから人はたとえば神の教えやその他いろんなものに安らぎを求める

そうやって毎日のストレスや疲れを
一時的に麻痺させようとする
それが人間
人間の弱さの証だ

そして今宵も
またこの陰口吐露密告会に集った
哀れな者たちがそれぞれがそれぞれのグチや陰口を持ち寄り
話し始める

そしていつの間にか
安らぎに浸りすぎて麻痺をし過ぎて
その快楽を知ってしまい溺れていくのだ
人の陰口にまんまと清心を来してしまうのだ

その姿はそうまるで天使が堕ちるところまで堕ちた
悪魔か化け物さながらである。

2007/03/25 (Sun)
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