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[191384] 水族館

詩人:どるとる


いつか君と行ったあの水族館
水槽の中にいろんな魚が泳いでいる
子供みたいにはしゃいでは笑う君を
ちょっと離れたところから盗み撮り

海月が好きな君は 丸い覗き窓から
鼻がつくくらい近くでずっと見てた

閉館まで 二人で何度も見て回った
あの日、またひとつ思い出が増えた

ねえ君は覚えているだろうか
僕ばかりが 昨日のことのように

思い出すのはなぜだろう
吹いていた風まで同じなのに

春はどこかよそよそしく
悲しい色をして 今年もまた桜が散る

言葉では多分 伝えきれない
無理やりしてもいいけれどやめとくよ
桜祭りは 賑わって人がたくさん集まって
綿菓子をひとつ買いました

あの日の空は少しだけ雲ってた
だけど不思議に心は青空だったよ

つばめが低空飛行してる もうすぐ雨が
降ってくるかな 傘を持って行こう

ねえ君は幸せだっただろうか
僕は君を幸せにできただろうか

笑ってた 君のあの笑顔の意味とか
その向こうの悲しみを知るすべもない

言い過ぎたあの日のことを謝ることも
出来ない僕は君の笑顔を思い出せない

涙ににじんだ思い出を 下手くそな強がりで 埋め合わせた

すぐに 笑えなくなってまた 泣き顔になる

永遠だと思ってた でも あまりに
短い命は 桜と一緒に散った

ねえ君は覚えているだろうか
僕ばかりが 昨日のことのように

思い出すのはなぜだろう
吹いていた風まで同じなのに

春はどこかよそよそしく
悲しい色をして 今年もまた桜が散る

夏の訪れとともに夢か幻のように。

2016/04/13 (Wed)
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