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[191391] 流星群の夜

詩人:どるとる


暫くはそのニュースで持ちきりだった
来週、流星群が何十年ぶりかに見られるらしい

みんなで 計画して見に行こうって約束まで交わした

望遠鏡から 覗いたいつもの夜空が
まるで夢の世界のように 見えたよ

僕らは大袈裟なまでに 下らないことで
笑いあって 挙げ句抱きあって

手を上げて はしゃいだ あの日のこと
大人になっても忘れないでね

いくつもの宝石が散らばった 流星群の夜
余計な言葉は僕らの間にいらなかった

なぜかわけもなく眠れないでいた夏の夜は寝苦しい 頼みの扇風機空回り

オープンカー 風を切って 走る 青い空があんなに 青い

理由なんて 多分いらないんだよ
笑えればそれで どうでも良くなるから

誰が言うでもなく 集まって いつものように 飲んで騒いで 夜を明かした

ただ飲み明かす為の口実が欲しかった
いくらでも幸せになれた単純な程にさ

弧を描き尾を引く シューティングスター
最早一番手がどの星かもわからない

振り子の軌道を 描いて
行ったり来たりするだけの時間が
変わらない 夏の日々に落ちた陽射しが
ゆるやかな 坂道を下っていって
気づけば みんなそれぞれの道を 選んで別れていった

一人あぶれたようにたたずむ僕は 探してた
抱えすぎた思い出を 仕舞う場所を
あるいは 捨て去る場所を

僕らは大袈裟なまでに 下らないことで
笑いあって 挙げ句抱きあって

手を上げて はしゃいだ あの日のこと
大人になっても忘れないでね

いくつもの宝石が散らばった 流星群の夜
余計な言葉は僕らの間にいらなかった。

2016/04/14 (Thu)
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