詩人:どるとる
狂おしいまでの 陽射しの熱光線
アスファルトを フライパン状態にする
目玉焼きが 焼けそうな30度を軽く越える
真夏日に 揺れるかげろうを追いかけた
僕たちは 追い越したり 追い抜かれたりしながら
いつまでも色褪せず変わらないものを 探してた
足元の影が長く伸びて 夕暮れに沈んだ街で
帰れない僕らは影踏みをやった
けんけんぱっで 踏み越えた ハードルは
小さくて 低かった
でもここからでは到底見えない景色が 少なからずあったんだろう
それを思い出と 呼んで 手放せないでいるから
いつまでもあの日の僕らの影は あのあぜ道で遊び続けてる
夕立 雨を降らしてなすすべもなく
僕らは傘もなく 濡れてしまう
例えるならば本の一番盛り上がる場面
なのにいつも鼓動は一定の波を保ってる
僕らは 笑ったり 泣いたりしながら
ページをめくる手をふと 止めて 明日の空を見上げた
雷と雨から 逃げながら 雨宿りできる屋根を探して 走った
やっと見つけたつぶれたパン屋
あの頃 世界は手足のように 動かせたのに
今は自分のものじゃないみたいだな
思い描いていたほど未来は 明るいものじゃなかった
だけど予想よりずっと 笑えたことに驚いた
今日もまた 暑くなる予報 午後からの雨に備えよう
まるで無差別的に放たれるサテライトが
射抜く 僕の弱さを ぼやかしたよ
ああ もう 目眩を起こしそうな 頭で
やっと思いついたことの くだらなさに笑いが 止まらない
足元の影が長く伸びて 夕暮れに沈んだ街で
帰れない僕らは影踏みをやった
けんけんぱっで 踏み越えた ハードルは
小さくて 低かった
でもここからでは到底見えない景色が 少なからずあったんだろう
それを思い出と 呼んで 手放せないでいるから
いつまでもあの日の僕らの影は あのあぜ道で遊び続けてる。