詩人:どるとる
近づくでもなく 離れるでもない感覚で
歩幅は狭くなったり広がったりする
波紋みたいで 思わず笑ってしまうよ
ただの会話も交わしたそばから物語
金木犀の香るなだらかな坂道は
ゆるやかに 空の果てまで続く
坂道を降りたところの 小さな喫茶店
君は珈琲よりもメロンソーダ 子供みたいだね
饒舌でもなく かといって寡黙でもない
話が上手いわけでもないから退屈もする
でもそんな退屈までちょうどいい間
小説の行間のようなちょっとした息抜き
いつの間にかどちらからともなく差し出した手を つないでる
手と手で結ぶ 少し不恰好な蝶々結び
隙間もないくらいに 互いを思う気持ちで満たされてる
積み重ねてく 日々は積み木みたいだ
ジェンガみたいにさ所々 出っぱって
今にも崩れそうだ だけど絶妙なバランスで うまい具合に立っている
金木犀の香るなだらかな坂道は
ゆるやかに 空の果てまで続く
坂道を降りたところの 小さな喫茶店
君は珈琲よりもメロンソーダ 子供みたいだね。