詩人:千波 一也
散文的であるかも知れない
晴れ間を見つける
こころはいつも
古くはならない
あたらしくもならない
それが空なら
繰り返すものごとに
少しだけ優しくなれそうな
そんな気がした
照れる日は
はね返されて
ただまっすぐに
まぶしく
逃げて
もどかしさのなかの微笑みを
抱きしめながら
守られながら
あかるい恥じらいに
気がついてしまいたい
句読点のあやまりを
広くほどいて
いつしか失っていた順番に
孤独はなおさら
嘘へと傷んで
静粛に
静粛な調べは
美しさを離れた毒薬として
続けるしかなかった韻律だった
沈まない空に
背いたところで
やわらかな誤解は崩れない
誰かのただしい遠近法に
すくわれながら
今日もまた
散文的であるかも知れない
知らない空から
知らない空
まで