詩人:どるとる
なんでもない顔で でも君は悲しみを
一人では到底持ちきれないほど抱えてて
それを強がって 言おうとしないから
僕はまた 君につらくあたってしまうんだ
桜も終わりだね もう陽射しも夏の色さ
歩幅を無理やり合わせていたけど
当然のように少しずつ離れてゆく
僕と君の間には 埋められない距離ができたよ
君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ
終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた
たくさんの言い訳を好きなだけ並べたら
消化しきれずに残してしまったんだ
無理やり食べたらきっとお腹を壊すね
だから聞かなかったことにしたんだよ
坂道は続いていく空を目指すように
君を乗せたバスはもう来ないだろう
でもわかってるのに来てしまうバス停
僕と君の間にできた距離を埋める魔法はないかなあ
君の好きなところ 数えたら きりがないけど
君は自分を好きになれないと よく泣いた
今でも何が 二人の間を引き裂いたのかわからない
君とつないでた手を見つめながら
気持ちとは裏腹に青い空を見上げていた
飛行機雲が すぅーっと横切ってゆく
君がいたら こんななんでもない場面も
映画でいう名シーンに変わるのかなあ
なんてことを思いなぎら煙草をもみ消す
君も僕を愛してきた
僕も君を愛してきた
でもいつの間にか
違うものを見ていたよ
終わりにしようね こんな悲しい恋は
どちらからともなく 離した手
遠ざかる背中を僕はただ 見送っていた。