詩人:高級スプーン
目新しい日々が
僕の前を吹き抜けた
気持ちの良い風に
意識は削がれ
身体は裂ける
僕は
生きていただけなのに
呼吸を妨げられ
朦朧として
どうせなら
視界の隅々まで
赤に染まればいいのに
と愚痴を呟く
瞼を閉めたままの奴が
よく言えるな
毒を吐きかけるのも僕で
あなた達は
目の前に居るモノを扱う時
何に注意を払い
使用していますか?
説明書を読むだけで
一生の大半を
使ってしまうだろうし
僕自身
自分自身を
よく知らないから
大きな事は言えないけど
手を伸ばせば
あっけなく時は凪いだ
自虐的だからか