詩人:どるとる
扇状の軌道を描いて上手投げ
ボールは君の ミットの中に着地した
下手くそな僕のフォームは
いつか 君の 見てる世界を
塗り替えることができるかなあ
一人ぼっちの キャッチボール
返らない返事はいつまでも
壁に向かって 声を投げても
何度でも僕の手に 戻るだけ
虹が竜の谷を渡り 七色に染まって
見事ストライク 絶妙なタイミング
いつか描いた 夢のあとしまつ
明日の明日くらいにまた出会おう
下手くそな口笛を道連れにして
夜の真ん中で 夜明けを待つふりして
誰を思い胸を焦がしているんだろう
気まぐれな天気に迷わされる
何度でも 咲いては散る花を 見送る
目を閉じた その瞬間のわずかな光
消さないように 逃さぬように
つかまえてごらん イメージでもいいから
一人ぼっちの キャッチボール
返らない返事はいつまでも
壁に向かって 声を投げても
何度でも僕の手に 戻るだけ。