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[191561] 初恋

詩人:どるとる


押し寄せる白波が 砂浜に描かれた
誰かの落書きを静かに消してく

黒板に描かれた 相合い傘と
遠い昔の教室に置いてきた思い

その二つが 混ざりあってくるくると
渦を巻く 初恋はマーブル模様

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

駅前通りは たくさんの人で賑わい
泣いてる人なんて一人もいないよ

みんな上手に笑顔で隠しているのかな
本当は 今にも溢れ出しそうな涙を

ふいに入った ファミレスの珈琲に
ミルクを入れて 溶けていくのを見てた

恋は 叶わなければいけないのかな 言葉にしなきゃいけないかな
叶わなくても 素敵な恋なら 伝わらなくてもそれもまた恋です

今はもう 遠くに離れた 同級生たちは
みんな 都会に行って この街に残ってる人はほとんどいないよ
君はどうかな?なんて思ったりして

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

「僕も 恋をしたよ」
いつかそう 誰かに聞かせたいなあ
そんな人に 出会えたらいいなと思う

そして春は 静かに
ゆっくり過ぎてく。

2016/05/01 (Sun)
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