詩人:どるとる
あたたかな春の日差しが 降りてくる
見上げればもう 夏が海開きを待ってる
僕一人じゃ ままならないストーリー
誰かとつなぐための手もない毎日に訪れた出会い
それはまるで魔法のように
今日までの物語を読んで
途中までの 物語を見失わないように
本のページに栞を挟むみたいに
思い出を記憶に 結びつけて
できた蝶々結び 左右に広げた二枚の羽
今にも飛び立ちそうに 見えたんだ
ありがとうという言葉は その場しのぎさ
伝えきれる筈もない感謝をごまかしてる
完全なるフィクション 出来合いのストーリー
愛は少しくらい汚れていたほうがいい
誰かが言っていた言葉を思い出す
主人公とヒロインが織り成すラブストーリー
ラストを飾る見え見えのハッピーエンド
紆余曲折を経て たどり着くラストシーン
読破したばかりの ベストセラー
帯には「世界中で一番素敵な恋がここにある」なんて 大げさな謳い文句
僕らができるのはありふれたあやとり
不器用に絡まったような二人の関係が
やがて 素敵な形を織り成せばいいなあ
今日までの物語を読んで
途中までの 物語を見失わないように
本のページに栞を挟むみたいに
思い出を記憶に 結びつけて
できた蝶々結び 左右に広げた二枚の羽
今にも飛び立ちそうに 見えたんだ。