詩人:どるとる
あっという間に過ぎてく季節にも慣れて
それは電車の 窓の外を流れる景色に似て
何かに 動かされているように
時計はなくしたものを取り戻すように回る
また昨日と同じ 今日を繰り返しながら
夜は明ける 句読点のその先へ
他愛ない 僕らのばかばかしい会話も
ありふれた風景の隅にうずくまる猫も
窓辺に咲かせた 名前も知らない花も
新しい物語のドアを開けるカギだ
また明日ね 手を振るいつもの別れ道
迷いながら差し出した手を離してゆく
一瞬の間をおいて 君はもどかしそうに
つないだ手を 離す 次第に冷えてく 手は
まるで さっきまでの温もりを 知らないふりする 薄情な奴だと右手を叱る
黄昏に 追い着いた空が 夜を待たせてる
名前のない切なさに 持てる言葉をなくす
つまらない小説にある一小節だけの光
その時の輝きを僕はなぜか思い出した
誰かの声にもまるで上の空で
聞こえないわけじゃないのに
世界から音が消えたように思ったのは
あまりにもたくさんの涙を抱えすぎたから
他愛ない 僕らのばかばかしい会話も
ありふれた風景の隅にうずくまる猫も
窓辺に咲かせた 名前も知らない花も
新しい物語のドアを開けるカギだ
黄昏に 追い着いた空が 夜を待たせてる
名前のない切なさに 持てる言葉をなくす
つまらない小説にある一小節だけの光
その時の輝きを僕はなぜか思い出した
その輝きは 未来を照らすかなあ
この先に 続いてる道の向こうに
待ち合わせてるはずのLIFE。