詩人:千波 一也
きんいろは
かなしいすべだと思います
闇夜のはなは
もっともあかく
ひとみを閉じこめて
火から、
結ばれてゆく、
果実のことなど、
だれもが、
とがめようもなく、
さようなら、
まぼろしのかわりに、
つないでゆきます、
ときに、
くだかれ、
散ることをせず、
似ていることを
ただひとつの手形と
いたしましょう
罪は
ひとしく滅びますので
はじまりかたもその先々も
待たせてはなりません
待つことも
ひさしく
傾きは、
つめたいまま、
汲みあげられて、
まどろみのかたわら、
いとしさに乗り、
かがやきを、
迎え、
いくつでしたか
あしたは
みずの方角へ
とおくの鏡をよぎります
わかれることを
うつくしく