詩人:どるとる
それは来ることもない待ち合わせ
何時になっても 気配さえもない羽ばたき
夜を 吹き抜けてく風が運んだ綿毛
明日に花を咲かせるために旅立ってく
東京の空には星が見えないと思ったでしょう?
でも以外ときれいな星空がおがめるんだよって 笑ったの
渡り鳥の 羽ばたきに似ている 遠ざかる誰かの足音
逃げるんじゃないわ ちょっとだけ 道を変えてみるだけ
朝一番の電車をつかまえて
適当な車両に乗り込む
ありふれた挨拶なんかはしないで さよならも聞きたくない
誰も知らない私だけの旅立ちの朝
それは ほんの少しの下手くそな魔法
誰かがくれる さりげない言葉は呪文
いつか 二人で歌った大好きなあの歌
もう一度歌える日が来るかなと思った
思ったより頑張れるんだってことに気づいたんだよ
だめだって思ってたのは ただの気のせいだったみたいだ
太陽が 降らす 陽射しの雨 カーテンの隙間からのぞく青空
打開策は今はない でも飛び立つ力を温存してるんだ
手のひらに描かれたのは
名前のない誰かの温もり
本編を飛ばし読み
後書きと前書きの往復
盛り上がり場面だけで お腹を満たそう
快速電車の 窓の外に流れる景色を
ファインダーに 閉じ込めて
ストロボ焚いたら シャッターを切る
またひとつ思い出が増えたよ
朝一番の電車をつかまえて
適当な車両に乗り込む
ありふれた挨拶なんかはしないで さよならも聞きたくない
誰も知らない私だけの旅立ちの朝。