詩人:甘味亭 真朱麻呂
ひどく投げやりな態度で僕らは
真夏の蒸し暑い空の下別れたね
公園の杉の木の下でアリが巣まで餌をはこんでいる
気持ちの悪い青虫の巨体の周りを何匹ものアリが群がって
巣まではこびこんでゆく
青虫はもう虫の息
きっと何もかもこのおかしくなってしまいそうな
暑い日差しのせいだ
だから 僕らはあんな風な悲しいお別れをするはめになった
右手で持ったアイスコーヒーの氷は一つ残らず水になって
その重さでコーヒーの上にもう一つ
透明な層が出来ている
もういっそ
何もかも 忘れたい
君のことも
あの夜のことも
ぜんぶぜんぶ忘れられるものなら
もうおかしくなったっていい
このコップの氷のように
僕の心 僕のカラダ
溶かしてくれていい
そしたら君の言い放ったさよならが
少しは和らぐと思うんだよ
君はどう思うかなぁ
こんな真夏のある日の日曜に。