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[191604] 絵日記の向こうの夏

詩人:どるとる


夏を抱きしめたような空が
青く広がる 畦道に揺れる逃げ水

見渡すかぎりの田畑
黄金の稲穂
台車には 山のような 玉蜀黍

絵日記に 描かれるのは 小さな指と果てのないイメージ
クレヨンで 思い出をあざやかに 記してゆく

花火をするなら 小さな明かりを
いくつも 咲かせる線香花火

その切なさは 夏の闇をそっと照らす
縁側にこぼれるたくさんの笑い声

また来年来なと 祖父が言うんだ
お婆ちゃんは ティッシュにくるんだお金を握らせた

ささやなかな幸せと残された 痛み

それは絵日記の向こうの夏。

2016/05/05 (Thu)
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