詩人:おるふぇ
いつももう書けなくなるんじゃないかという
ある種の強迫観念が脳の底には
いつもこびりついていた
書くことは悦楽であり
書くことは苦悩であった
その時の心情が
色彩という魔術の中に溶け入り
鮮やかな広がりを見せながら
言葉の羅列は
歌い踊ることを許される
いつもこれが最後だと思い
いつもこれが最高傑作だと思い
一つの作品
その世界が全てだった
気づくこともあるだろう
詩なんかなくったって
生きていくことができるって
でもわたしはあなたに
助けられたんだ
救われたんだ
迷える一つの魂が
地上で燻り
抗い続けた運命
特殊なのか
変奇なのか
どこか違和感を抱え
それでも生き長らえることができたのは
詩、
詩があったからなんだ
時に恋の甘みと高揚
時に生の苦悩と絶望
そして愛と希望
その色彩が奏でるフレーズに
わたしよりもわたしを理解し
いつも傍に寄り添うようにいてくれる
そのことが嬉しかった
つまらなかった
くだらなかった
生きる価値が
わからなかった
そんなわたしにも
あなたは優しかった
また書けたね
また会えたね
まだ生きていける
共に前に歩こう
力の詩
生きていく力の詩
この鼓動が聴こえるかい
優しくて
優しくて
温かで
温かで
安心して
涙が流れる
それから
笑える
いつもこれが最後だと思う
いつもこれが最高傑作だと思う
バカヤローの詩
生きていく力の詩