詩人:夢野咲道
長い冬の始まり
秋と冬の境目が有るとしたら
それは
長い冬の始まりを覚悟した瞬間
雪が降ったとか
氷点下になったとか
ニュースは季節の変わりを伝えようとするけど
そんなTVのニュースより
吐く息の白さが教えてくれるのです
秋から冬へ
そんな感傷も束の間
北風は枯葉を散らし
鋪道を霞め
裸の木々は
覚悟を促します
小春日和にため息をひとつついて
往生際の悪さを
まるで駄々っ子のように振舞ってはみるけれど
本当は知っています
頬に当たる風の冷たさに
ポケットの中で握り締めた拳の強さに
そろそろ覚悟を決めようか
長い冬の始まり
そう
毎年の事・・・