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詩人:どるとる
終わりのない夢を見ている いつもいつでも飽きたらず諦めず誰の言葉にも耳を貸さずに
どんなときでもバカかと思うくらい自分を信じすぎている
わざと自分を信じすぎているんだ
時の流れにまかせて
いつものように辺りが暗くなったら家に帰ろう
確かなものなどなにもいらない
不確かなものだけ持ち帰ろう
予定はただの予定
いつだってあたるとは限らない勘のようなものさ
そんなもの信じるくらいなら自分を真っ先に信じよう
ただそう思っただけ
寝ていたふりをしていたら本当にいつの間にか寝てしまったらしく
目覚めたら夕暮れで
ちょうど降ってきた夕立に葉っぱが庭で音を立てて震えるように上下する
なぜか心の中はあたたかい
でもそのあたたかさの中にも消えない悲しみが涙という雨を降らした
今にも雨が降ってきそうだ…
なんて言っているうちにお外はもう既に雨
赤と灰色がまざった空はまるで僕の心を感じ取ったかのようにさびしい静けさに包まれてる
聞こえるのは雨音と少しの町の音さ
今にも雨が降ってきそうな空はまだましだったよ 優しさがあったから でも今は泣いてばかりでつまらない
そういう僕もつまらない人間だ
なんのためなのか意味なく吊された照る照る坊主も面目丸つぶれ
うなだれるようにうつむいて吹き込む風にさびしく揺れている
そんな休日の終わりには昨日に残してきた忘れ物のあまりの多さにため息が止まらない
あれもしたかった
これもしたかった
だけれどもう遅い
外は雨 気分も向かないし
ただ 誤魔化すようにあとは眠るだけだ
午前中の青空が嘘のような土砂降りの雨を申し訳程度に備え付けられたトタン屋根の下でしのぎながら
ただまぶた閉じる
いよいよ 諦めたかのような素っ気ない表情を仮面のようにかぶって僕は夜になるまえに雨が止むのを祈る
わけのわからない
侘びしさに冒されながら。