詩人:どるとる
行き先のない 電車に 乗っかって
窓から見える 風景だけが世界ならいいのになあ
いつか失くした 何かを探しに
自由への地図を持って
答えなどない そのくせ 縛られてばかり
今は 何も僕を咎めるものはない
目の前に広がる 空と海のボーダーラインを
曖昧にする 目も眩みそうなブルー
無人駅のベンチの下で寝ぼけ眼の 猫があくびをする
向日葵畑を 自転車で追い越して
このまま 二人きれいな幻になろう
とある掟に 縛られて 笑えない毎日
冗談のひとつも 言う気にもなれないのは悲しい
はぐれたようになった笑顔は迷子だ
どこをほっつき歩いてるんだろう
どうせなら路線図の一番最後の駅を目指して行こう
レールはやがて 途切れて いつか 宛さえなくすだろう
その時にコンパスになるのは 心だ
使い古されて 埃をかぶったような心だけど いざというときには頼りになる
このまま 二人地図上から消えよう
「電話のつながらないところまで 行きたいんだ」
君が言った
その言葉が 旅立ちの合図だった
そして僕らは夢のチケットを 子供料金で買う
目の前に広がる 空と海のボーダーラインを
曖昧にする 目も眩みそうなブルー
無人駅のベンチの下で寝ぼけ眼の 猫があくびをする
向日葵畑を 自転車で追い越して
このまま 二人きれいな幻になろう
幻になろう。