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[191796] メトロ

詩人:どるとる


ホームでため息白く曇らせながら
貧乏揺すりしながら誰かを待ってる

今までずっと そうね大体 3ヶ月は待ちぼうけしていたんだから

3ヶ月分の 切なさや寂しさを 一瞬で消してしまう
あの魔法の笑顔を 期待してるんだ
見上げれば 空は青く透き通っていた

いつものあの声で「ごめんね待った?」って
君が 笑いながら 僕の手を握るあの時間が好きなんだ

僕のこの 寂しさは多分 この時の喜びのために 培われたようなものなんだって
思うくらい 僕は待ちわびていたよ今日を

JRの電車に乗って 宛もなく 行こうか
わざわざ予定を立てるほど器用じゃない

地下鉄は 地面の下に いくつもの 道を作って
どこまで続いてるんだろう
路線図のすべてを 把握していない僕は
これからの行き先を知らない

甘く切なくもらした吐息は きっと桃色
少しだけ走ってきたから 汗かいちゃった
そう言う君が 輝いて見えたんだ

うなじに伝う汗 あわてて目を反らす僕に笑いかける君は 僕の気持ちを知っているのかな
すべてを見透かすようなその瞳に吸い込まれてく

どれだけの電話も どれだけのメールも
待ちわびて やっと出会えたこの喜びにはかなわない

今、出会えた この奇跡みたいななんて言ったら
大げさだよと君は また笑った

いつものあの声で「ごめんね待った?」って
君が 笑いながら 僕の手を握るあの時間が好きなんだ

僕のこの 寂しさは多分 この時の喜びのために 培われたようなものなんだって
思うくらい 僕は待ちわびていたよ今日を

君は知ってるかな
この時間をどれだけ待ちわびていたのか

君も同じだけ待っていてくれていたらいいな
そして同じ喜びを 分けあえたらいいな。

2016/05/28 (Sat)
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