詩人:是清。
寝てゐる語順、冷め切つた矛盾、泣き腫らした窓
まう弌度生れ変つた氣分?
隣で鳴いて居る猫
腹の裂疵
苦しみ何か井ノ中ノ蛙と謂ふ惨禍
不幸自慢何か好い加減止めてしまへ
「皐月蝿い」何て書いた風流な人、誰?
昨日殺された幾つもの言葉
「楽園」何て在り来たりなイメヱヂで
“喜ばしい”何て簡単に云はないでくれ
殺してくれつて云はれた方がずつと善い
張裂けさうさ胸に捺した熱い烙印の為
羨しいつて云はれた次ノ日
冷たい地面に跳躍致した
苦し紛れの道化、其れだつて一部で
総て受諾される都合良い夢に
死と謂う名の枕で眠る。