|
詩人:弘哉
猫を3、4匹被った【いい先輩】が言う
「したくてしてるわけじゃないんだからそんなこと言ったら可哀相だよ」
誰かを嫌う【本音】が言う
「なんであんなやつに気かけてやんなきゃならないわけ?」
外面で生活する【お祖母ちゃん子】が言う
「早くよくなってまたお琴教えてね」
介護に疲れた受験生が言う
「こんな時期に死なれたら困るし」
はっちゃけまくった【ムードメーカー】が言う
「だって人楽しませるの好きだしなっ」
人の笑顔が好きな【エゴイスト】が言う
「あいつらこのくらいで笑うなんて単純だよな」
自己顕示欲の強い【ナルシスト】が言う
「今日も俺は可愛い」
プライドの高い【臆病者】が言う
「誰にも好いてもらえないから自分が褒めてあげなきゃ崩れてしまう」
吹っ切れた顔した【独り者】が言う
「新しい恋に生きるから」
毎夜思い出ばかり眺める【プレイボーイ】は言う
「あいつ以外の愛情なんて意味がない」
周りを気にかける【友達】は言う
「いつだって友達だよ」
メールを開いた【友達】は言う
「またかよ、うぜぇ」
どこに重きを置けば
誰も傷つけずにすむの?
そう、偽善者じみた【俺】が言った