詩人:はるか
行きつけのBarで何度か
隣り合わせた男に
その場限りの相槌をうつ
耳慣れないJazzは
Masterの好み
あたしが生まれるもっと前の
知らない時代
背の高いStoolの
回転椅子に合わせるように
背伸びしてはいた
ヒールのかかとが疼きだす
男のお喋りは止まらない
気がかり顔のMasterに
ちょっぴり眉を
しかめてみせる
心のうちを探りたいなら
月の見えない晩にして
琥珀色した液体に
今夜は思いを溶かしたいの
グラスの水滴が
したたり落ちるのを
黙って眺めたい
そんな夜もあるからと
言葉にする前に
消えて欲しいのよ