|
詩人:右色
「重い悩み」という言葉は好きになれない
私が悩むのは
いつだって
正体がまるで掴めない
ウワウワと中空に浮く何かだ
その何かは空気の中で密度が濃くなって
私はだんだんと息苦しくなる
そこに重力があれば
私は間違いなく落下するだろう
しかし
ここに重力なんてものはなく
何かと私とが
判別できなくなるほど混ざり合った宇宙があるだけだ
だから
私は
悩みが
重いだとか軽いだとかは言わない
その無重力空間は確かに辛く苦しいところだけど
私が私を再構築する為には
私という宇宙が変化するのは必要なことだから
適当な重力見つけて
それに引き寄せられるくらいなら
最初から悩む必要はない