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[191827] コンビニ

詩人:どるとる


宛をなくした僕らの行き先はいつも
小さな町にぽつんとあるコンビニ

愛想のない店員が挨拶もせずに接客
賞味期限ギリギリまで残されたパン

真夜中過ぎに 集まったコンビニの前
する事もなくただ居場所を探した

コンビニから出て見上げた夜空
数えきれない光が闇を飾ってた

万華鏡の中の星のひとつを
大人になっても追いかけている

くだらないことに夢中になって
笑うためにと大真面目に泣いた

あの時の情熱は 今も僕にあるかい
手のひらを開いて確かめている

夢を見ることに一生懸命だった自分を
誇りに思った恥じらいなどいらない

電線にカラスが止まっているみたいに
コンビニは僕らの居場所になった

夏でも涼しいエアコンの効いた店内
経営難に見舞われ一年でつぶれた

財布をのぞいて金のなさにうなだれた
安い発泡酒と半額のポテサラで晩酌

時計はずっとあの頃から回っていた
ずっと子供のままでいられると思った

この街の寂れた雰囲気はノスタルジック
お世辞も昔よりずっとうまくなった

あの時の好奇心は今の僕にあるかい
記憶をこじ開けて 確かめている

コンビニのあとはパチンコ屋
そのあとは今もある月極め駐車場

思い出は ささやかながらも今もそこにある

万華鏡の中の星のひとつを
大人になっても追いかけている

くだらないことに夢中になって
笑うためにと大真面目に泣いた

あの時の情熱は 今も僕にあるかい
手のひらを開いて確かめている。

2016/06/02 (Thu)
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