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[101972] 浮島

詩人:千波 一也



さかずきが、

まわる



 ひとづてに咲く

 ゆめまぼろし

 を
 

 裂いては遠のく

 かなしげな、

 さめ



ゆびさきに乗る

花びらが、

よる


わからぬままの方角は

なおうつくしく

影を研ぎ



 ふれる、かぜ


 かおる、

 とき


 かりそめの陽に

 華やいで
 

 いたみ、

 まどろみ、

 かんむりは、つゆ、


 いつの波にも

 牙、こぼれ
 
 

声は

向かう


いさぎよき、

かなたのためだけに


おぼえておけない

微笑みで


2007/05/15 (Tue)
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