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[99070] 『道〜彷徨の旅』(後半)

詩人:甘味亭 真朱麻呂


僕に教えたのだ
夢に破れ 何ひとつとして残っていない
この敗者の僕にせめてもの慰めとして
現実は慰めるように
励ますように
私の旅の終わりを告げる
お前の旅はもう終わったのだと
お前はもう旅のできるような歳ではないのだと
言うかのように
この老いぼれた旅人の肩にそっとやさしく暖かな風をたなびかせた

そうしたら不思議とさっきまでのはげしい後悔のかたまりは
いつの間にか僕の心からなくなっていて
代わりにあなたという愛の支えが僕の手をつよくやさしく握り
そして僕はその時初めて愛の大切さに気づいたんだ
僕が今まで積み重ねてきた旅は無意味なんかではなく
ちゃんとした意味があり
それが僕のこの胸に確かに刻まれていたこと
僕は気づき
そして同時に満面の笑みを君に見せた

僕らが見上げた空には
迷いも悩みもない
一点の曇りのない
世界とどこまでも澄み切った青空が広がっていた。

2007/03/28 (Wed)
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