詩人:甘味亭 真朱麻呂
思い切り皆で飲んで騒いで
遊んだその足で僕は一人家路を歩く
ぼんやりとした頭で
少し遠くで街灯がはかなく揺れて
楽しかったななんて久しぶりに会った仲間の元気な姿見れたから良かったななんて
独り言のように僕はつぶやいた
寒い冬の風が僕の背中に吹いたよ
酔いはだんだんさめてくる
なんだか涙があふれてくる
まだ少しふらつくけど
この気持ちは懐かしさとか切なさなんだろうな
ふと見上げた夜空に月が輝いている
まるで僕の家路に向かって光の道をつくってるみたいだ
ポケットに手を入れて猫背になりながら
家へと歩く
そうして僕らは少しずつ
大人に近づいていくんだね
そうして誰もがゆっくりと
未来にあるいていくんだね
理想を叶えられずに終わった人も
理想通りの未来を手にできた人も
誰もがそうやって
幾つもの悲しみを
幾つもの喜びを
何度も何度も繰り返しながら
それぞれの居場所へと帰っていくだろう
愛する誰かのもとへと帰っていくだろう
冬の夜の帰り道
君は彼奴とうまくやってるかい?
幸せで 元気でやってるかい?
そんなことを想いながら帰る道 帰り道
見上げた空には
いつまでもついて来るまん丸なお月さま
キレイなキレイなお月さま。