詩人:BLACK
まだ中学生やったから全然お金なかって
でもおまえとのペアリングほしかって
好きなアーティストのアルバム買うために貯めてたお金おろして
買ったんは全然可愛くないヤツで
シルバーのかなりシンプルなヤツで
しっかり二人の名前入れてもらって
俺、お前んちにむかって本気でチャリこいで
出てきたお前は不機嫌で
でも指輪渡したら一気にうれしそうな顔になって…
『V型がよかったのに』
とか言いながらしっかり指にはめて…
俺の指輪はちょっと小さくて
つけたり外したりするもんやから
指の第二関節にはしっかりキズできて
全然治らんくて
んである雨の日に俺等は指輪外すことなって
俺は濡れた壁にもたれて
『学ラン汚れる』
とかお前は言うけど俺は動けんくて…
でも泣くに泣けんくて…
つけんくなったもんやからキズも段々なくなってきて
でも消えていくのは指のキズだけで…
お前は全然消えていかんくて…
俺はやっとキズなくなって
それは指のキズじゃなくて
もっと深いキズやって
治ったのは"あいつ"のお陰で…
そいつといてもキズはできて…
でもそれはもぅ治す必要ないキズで…
俺はそいつを一生支えたいと
願ったりしてて…