詩人:剛田奇作
赤ん坊が産まれました!
日本列島が、ちびっちゃうくらいの爆音とともに
アメリカは第三次世界大戦が始まったかと
びっくりして
跳び起きた
赤ん坊を見て
慌てて
持っていた大砲を
ケーキに代えた
赤ん坊が産まれました!
銀河系の軌道がズレるくらいの
産声というか
雄叫びを発して
UFOも光の信号を祝福モードに慌てて変えた
シンバルの音とともに
飛び出した赤ん坊は
色んなものを
バラバラとこぼしながら
体中にクラッカーの残骸を絡ませて
お祝いのプレゼントの山を蹴散らして
小さな手に
虹色のバトンをにぎりしめ
次の赤ん坊に手渡す
この同時多発的な誕生リレーは
留まることなく
レコードは回り続ける
邪魔だよ!どいて!
バトンの行く手を阻んじゃいけない
おぉ今度はライオンの赤ん坊だ
さぁ、走れ!
サバンナを越えて、
次はチベットのウサギまでさ!