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詩人:optimistic
散り逝くは咲くが如し
暖かい風が部屋を廻る中で彼女はピアノを弾く
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
細く華奢な足を
地べたに着けて
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
細く華奢な左手を
地べたに着けて
白く小さな鍵盤上を
白く小さな指が踊る
右手が奏でるその音は甲高く
まるでベルのようにこだまする
ふと彼女が振り向く
口元に笑みが零れる
レンズのせいだろうか黒い目が大きく見える
首はやや座らない
全身で表現しようとする生命の息吹に私は涙する
この涙は罪深い
出来ることならこの音を世界に聴かせたい
散り逝くは咲くが如し