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詩人:ナオト
11月と12月
僕の一番好きな季節
茶色いコートと
深いブーツで包んで
午後六時の街にいる
静かに流れる夕空と
ピンと張った冷たい空気
手袋の下の荒れた指先で
トワイライトの跡をなぞる
群青と漆黒の狭間
僕の一番好きな時間
甘いホットティと
鈴虫の唄に包まれて
帰路に溢れる街にいる
鮮やかになびく君の髪と
どこかから聴こえるクリスマスソング
すっかり暗くなった裏道で
鼻をすすりながらペダルをこぐ
小腹満たしにファミレスで
フライドポテトとトマトケチャップ
窓ガラスの向こうの季節は
僕が望んだ世界
あの頃からの全ての冬
タイトな冷たさと伸びた影
あの頃からの全ての冬
丸い街灯と低い夜空
僕はこの季節に恋してる