詩人:老女と口紅。
この澄み切った空のやわらかな青色を両手をいっぱいに広げて掴み取り僕だけの ものにしたい 波が寄せては返す砂浜で 穏やかで やさしい海の胸に抱かれてみたい 山が深々しい緑を貯えた時 嵐が来ても微動打にしない力強さと 冷静さを感じる丑三つ時の深い森の谷間から 月の冷ややかな顔色をそっとうかがう しんしんと迫り来る静けさの中 不安と恐れに身を震わせたそんな思いをする時はいつも一人きり…‥