詩人:タキシード詩者
牙を剥き出す猛獣達を従えるのが私の仕事。
奴らはいつもタイミングを見計らうように執拗な視線で私を見ている。
私はいつか、こいつらに食われてしまうのかもしれない。
いつも手にしている鞭なんて、実際は何の威圧にもなっていないのではないだろうか?
奴らの射ぬくような鋭い視線に、私はいつも少なからずの恐怖を抱いていた。
しかし、私は時にこの獣達よりも人間の方が恐ろしい生き物に思えるのだ。
この動物達は、私を食い尽くしたとして、腹がいっぱいになればそこで終わり。
それに対し、人間はどうだろう?
金を欲し手にしたとして、それがいくらあっても欲望は止まるところを知らない。
私にはどちらも同じくらい恐ろしい。
貴方は死がこの世で最高の恐怖だと思いますか…??