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[104893] 棚からバター飴

詩人:高級スプーン似

昭和が終わって
僕らは生まれた
昭和を知らずに
僕らは育った

巌頭之感に支配され
何をしてきたのかも
分からぬうちに
何もなかったかのように
終わらせようとしたら
余計なものだけが残り
多大な迷惑をかけた
夢だった
では
済まされなさそう

ニュースを見て思った

今年で40のフリーター
彼女を見つけようと
テレクラ、出会い系
チャットにMMO
時は経ち
俺の頭はハゲても性春
純愛には偏りが不可欠
恋に勤しみ風俗通い
果ては
幼女にストーカー
睡眠薬をビールで流す
目が覚めて
隣を見たら
見知らぬ誰かが
裸で死んでる
という
携帯小説が売れる理由は?

シンジ君と同学年
親の視線から逃れられず
学校に行っても
よそ見をしてばかり
サザエさんや
ドラえもんのように
歳を取らずに
いつまでも生温く
平和の中を生きるのが
あの頃の願い

しかし
中の人が変わり
チャンネルを替えた
段々と
TVを観なくなり
お前を見るようになり
お前も見なくなり
世間の流れに
逆らわないで
流れていくにも
ある程度の能力と
努力が必要だと知った

今の願いも昔の願いも
言葉は違えど
中身は同じ
美味しくはないが
かろうじて
「恵み」と呼ばれる
ソレを
心にもない
ありがとうと交換
作り笑顔で騙して
受け取った時の
後ろメタファーと
言ったらないよ?
けどね

棚から
ダイヤじゃなくていい
与えられる側なのに
上からの物言いっぽい
それは
小さな他力本願だろう?
死後落ちるであろう
地獄でも罪は軽いような
返さなくてもいいような
小さな力を借り続けて
生きられたらなぁ

ロクでもない
豚でもない
願いは要らない
そうは言うけど

小さな力を
貸してほしいと願った

普段
優しいあの人は
助けてくれなかった
とは言うな





TANABATA
vol.1「今年の願い」

2007/07/07 (Sat)
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