詩人:さみだれ
"この詩を一匹の犬に捧ぐ"
耳を触るとくすぐったいみたい
そんな君が好きだった
おやつにばかり目がいって
盗み食いしてただろう
玄関を勝手に開けて「見つかった!」
びっくりした顔が好きだった
ベッドの下に潜り込んで
みんな探し回ったよ
一緒に散歩に出掛けたら
手を引っ張って走る
息が切れて僕が止まると
君はそこで待っててくれる
頬を撫でたらすりよって
甘えてくる君が好きだった
君の見る世界が見たくて
君と並んで座り込んだ
眠ってる君にいたずらして
その度君は不機嫌だった
忘れないよ
最初会った日のことを
君の名前を
その鳴き声も
ただ今は心から言いたい
ごめんよ
自由にさせてやれなくて
本当に
君のこと好きだった