詩人:カナリア
あれは十五夜のすすき唄う秋の風慌てて履いた靴は恋人を失った“老妻”片割れは玄関先に…貴方様と過ごした十数年ぽつんと残された夫婦の茶碗誠に愛した貴方様は呆気なく逝ってしまわれてどうぞ迷惑掛けてくださいな…最期に“いい人”になる貴方様は憎い御方あれは十五夜の兎騒めく秋の夜更けただ貴方様にお会いしたくただ…私は夢を見るのです夢を見るのです