詩人:どるとる
声に出さない 愛は
言葉にならない愛だ
消化されずに 胃の中に残った蟠りは
いつまで僕を 縛り付けているんだろう
夜の帳が降りてきて
希望が費えたとき
たとえば貯金をおろすように
蓄えた 思い出で 満たされるくらいなら
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
きれいな愛なんてない
醜いのもまた愛だ
傷痕さえ 愛せないなら 愛は謳えない
吐き出された喘ぎはなんて綺麗なんだろう
間違えられた愛の形を 歪ませたのは
愛をお金や商売にしか思えない 人間の浅はかな 愚かさだ
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
耳元でささやく 吐息混じりの声
眠りに落ちる 間際で 救われる
世界にただひとつだけのひびき
ありふれた 幸せのワンオーダー品。