詩人:どるとる
僕は虫じゃない
なんだというのだろう
八本の足があるだけで
奇異の目で見られる
ハンデを持って生まれた命は
グロテスクな蜘蛛
糸を吐き出して絡ませて巣を作るよ
朝露に濡れて 浮かんだ白い光が
ところかまわず作った巣を照らして輝いた
なにかが多くても
或いは少なくても
人間ならば同じだ
分け隔てない眼差しとありふれた優しさで
私を見てほしい
僕が人間じゃないなら
なんだというのだろう
生まれたときからあるものは
変えようもなくここにある
悲しむことも容易にできるよ
だけど愛することにした
憎しみよりも 愛に生きることにした
僕は虫じゃない
なんだというのだろう
八本の足があるだけで
奇異の目で見られる
ハンデを持って生まれた命は
グロテスクな蜘蛛
糸を吐き出して絡ませて巣を作るよ。