詩人:千波 一也
涙から
とおいところばかり
数えていたら
行き止まりさえ
意味をなさなくなってしまう
天使のうたは
たいようだけのもの、ではない
雷雨はかならずしも
おそろしい顔をしていない
めぐり逢いたければ
包みこむこと
たやすい顔では叶わない
すべてに
すべて、と
満ちてゆくこと
崩れてゆくようにして、
つぎは
はじめて
つぎ、になる
押しても
流されても
おなじ尾のために
繰りかえされる
ものがたり
雨をすくっても
雲をえがいても
虹をのがれても
予感はこぼれる
素直なままを
それぞれに
ただ
2007/06/06 (Wed)