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[103377] 夕焼け

詩人:千波 一也



かけ足に過ぎなかった


いまでもそれは

よくみえる



ほろにがい

夕暮れの日を

燃え尽くすには

まだ早い


わからないほどに

からまり続けて

いるからね




忘れてしまおう

約束を


忘れてしまえるから、


泣いて

わらって


崩れてしまっても

かたちと呼ぼう

きっと


灼熱にただ

めぐられながら




いつかの背中も

案外近い


そんなふうにして世界は

やさしく

遠く


ほら、

夕焼けている


すすむ道にも

戻る道にも


あかあかと

また


夕焼けている

2007/06/12 (Tue)
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