詩人:千波 一也
かけ足に過ぎなかったいまでもそれはよくみえるほろにがい夕暮れの日を燃え尽くすにはまだ早いわからないほどにからまり続けているからね忘れてしまおう約束を忘れてしまえるから、泣いてわらって崩れてしまってもかたちと呼ぼうきっと灼熱にただめぐられながらいつかの背中も案外近いそんなふうにして世界はやさしく遠くほら、夕焼けているすすむ道にも戻る道にもあかあかとまた夕焼けている