詩人:千波 一也
こたえ、という
ことばそのものは
とてもかよわいものです
だからといって
あきらめたりはせず
突きつけることもせず
こころは、そう
並んでいけたなら
じゅうぶんだと思います
幼い日々は
そうして歩いていたでしょう
大人になって
なかよくすることが
難しくなってしまったとしても
思い出すだけならば
間に合いませんか
まだ
こころは細くなります
仕方のないことに
うなずきながら
あなたのほんとうと
わたしも同じです
かたちは違っても
かたち、と声に出してみたならば
みんなそっくりそのままで
案外つながってしまいます
誰のためでもない探し物のように
ここがあって
そこがあって
それぞれが
約束をつづいてゆく
すてき過ぎると
わらえるのなら
生きて、
叶わなくても
ゆめの代わりに
とらわれてゆく哀しみを
どうすることもできない姿でも
生きて
どうか、
生きて