詩人:どるとる
畦道に君と二人で 駆け抜けたあの夏を
大人になって忘れてしまいましたか
思い出の一番 奥で輝いてる時間
そっと思い出すとき ほほを伝う涙は
もう二度と帰らぬ夏を 覚えてる
風にさらわれた 麦わら帽子も
ソーダ味のアイスキャンディーも
まるで長い夢を見ていたように
気づけば僕の記憶にしまわれてた
宝物のように 今でも 変わらず
光り輝く 夏の忘れ物
丸々と太ったスイカ 二人で食べきれず
影踏みして 日が暮れるまで遊んだ
思い出の中でひときわ輝く時間
ふれられるときはそうは思わないのに
届かなくなってから懐かしさに焦がれる
押し寄せる 海岸の白波も
かなわず終わった初恋も
まるで幻のように過ぎ去った日々
遠い昔の出来事のように思い出す
かつて少年だった誰もが 持っている 思い出
泥んこになって 転んで 膝につくった傷あと
その数だけ きっと笑顔があって
涙もあったのだろう
うまくは思い出せないことが
悲しくて どこか切なくて
風にさらわれた 麦わら帽子も
ソーダ味のアイスキャンディーも
まるで長い夢を見ていたように
気づけば僕の記憶にしまわれてた
宝物のように 今でも 変わらず
光り輝く 夏の忘れ物
かつて あなたが少年だったときに
持っていた 気持ちだよ。